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③距離の調節

出典: 事件はラブホで起きている
尾行で対象者を見失うことを探偵用語で「失尾」、尾行がバレることを「発覚」という。 失尾は、「尾行に失敗する」と書いて失尾。 発覚は、調査をしている事実が対象者に発覚してしまう、という意味で「発覚」だ。 このふたつの探偵用語は、今後本書でもよく出てくるので、覚えておいてほしい。 尾行は対象者との距離が離れすぎたら失尾してしまうし、逆に近づきすぎても発覚してしまう。 対象者との距離が遠い尾行であれば、失尾の可能性は低くなるが、発覚の危険性は高くなる。対象者との距離が離れた尾行であれば、発覚の可能性は低くなるが、失尾の危険性は高くなる。 尾行において失尾と発覚はトレードオフの関係にあるため、探偵は尾行中、このバランスを常に取り続けなければならない。 単純な話をすれば、「ちょうどいい距離」で尾行すればいいのだが……う〜ん、これがなかなか難しい。 というのも、この「ちょうどいい距離」ってのは、常に一定じゃない。 離れるべき場面は距離を置いて、詰めるべき場面では距離を詰めなきゃいけない。 見通しがいい場所では、距離を取る。 見通しが悪い場所では、距離を詰める。 周囲に人が少なかったら、距離を取る。 周囲に人が多ければ、距離を詰める。 あとは、列に並んでみたり、狭い出入り口を通ろうとするときや駅の改札などといった特定の場所では、距離を詰め気味にしておくのがベター。 詳しく解説していたらキリがないけど、この尾行の距離の調整は感覚として身につけていくしかない。いわば、現場での経験が物を言う。だから、探偵は失尾をした数だけ強くなる