MENU

ラブホテル以外の場所で効力を発揮する風水

出典: 事件はラブホで起きている
友人の探偵に「伊坂」という男がいる。彼の探偵スキルは一風変わっている――風水だ。 風水とは、古代中国の思想で、都市、住居、建物などの位置の吉凶方を決定するために用いられてきた「気の流れを物の位置でコントロールして運気を不倫カップルの調査をしていると、旅行のタイミングに出くわすことがある。 不倫カップルは旅行先ではラブホテルは使わない。雰囲気のある老舗の温泉旅館や、1泊10万円近くする高級ホテルでお泊り不倫するケースも少なくない。 そうした宿泊施設で不貞の証拠を撮る際、ロビーでチェックイン・アウトの様子を撮影するこになるんだけど、肉体関係がなくてもそれに類似する不貞行為の証拠としては弱いとされる。 なぜなら、温泉旅館や高級ホテルはラブホテルとは異なり、社会通念上「セックスをするための施設」ではないからだ。それを逆手に取って「たしかに一緒のホテルに宿泊はしましたが、部屋は別々に取って、別々の部屋で寝ていたので、不貞行為はありませんでした」などと言い逃れする不倫カップルがいたりする。 その言い訳をつぶすには―― 夜中、一緒の部屋に入っていく瞬間 翌朝、一緒の部屋から出てくる瞬間 を撮影しなければならない。 だけど、透明人間でもないかぎり、不倫カップルが部屋に入っていく瞬間を気づかれることなく撮影するのは至難の業。部屋から出てくる瞬間を撮影するのですら、難しい。部屋への出入りが見える廊下にひと晩中立って監視しているわけにもいかないし、不審者として怪しまれるリスクもある。 夜通しの張り込みと撮影を可能にするためにいちばん手っ取り早い方法は、不倫カップルが宿泊する部屋の向かいや真横の部屋に、僕ら探偵も宿泊すること。 とはいえ、そんなに都合良く事が運ぶことは、まずない……そんなとき、探偵伊坂のスキルが活きてくるわけだ。